進路指導〜プロへの道 第1回 |
いよいよ第1回です。今回は進路指導の一番基本になることがらについて述べます。よろしくお願いします。=2003.01.23= |
《目次》 「進路指導」って何? 進路指導全体計画の作り方 ご質問・参考意見等はこちらへ |
「進路指導」って何? |
進路指導というと,学力テストを何回もやって生徒にはっぱをかけるとか,保護者会で進学先を決めたりするイメージが一般的だと思います。ただ,そのような取り組みは,彼の生涯が充実感にあふれ,社会の立派な担い手に成長してこそ意義があるでしょう。進学先あるいは就職先で,将来に向かって知・徳・体のそれぞれについて更に力を伸ばすことにつながっていくような進路決定になるようにしたい。この点に異論のある方は,まずいらっしゃらないと思います。 つまり,進路指導の究極的な目的は,知・徳・体の全面的な成長を促し,健全な社会や国家の力強い担い手を育てることです。これは,教育そのもののの目的でもあります。 ですから教育を構成する他の要素,例えば道徳教育でも,同じ文言を目標としても成り立ちます。しかし,実際の指導内容では共通点もありますが,随分異なる点もあります。何よりも,進路指導は具体的です。なにしろ次の年の4月に通う先が決まっていないといけません。 しかし,ただ決まればいいというものではなく,できたら最終的に決定した進路が自分自身の適性を生かす道であることを自覚し,将来への希望に胸を膨らませて卒業してほしい。 そのためには,進路指導は3年生になってからではなく,中学校への入学から卒業まで一貫して将来に向かって生きる力を育てていくことが必用です。 さらに,中学生の年代は一般的に思春期特有の不安定さがつきまとうので,精神的な健全さを保つことも重要な要素です。 以上を前提として進路指導主事(主任)の役割をながめましょう。
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進路指導全体計画の作り方 |
進路指導全体計画は,学校として取り組む進路指導の基本をまとめたものです。その項目建ての例を以下に示します。
ねらい (例)己を知り,社会を知り,てだてを知り自らの将来を切り拓く○○っ子の育成 (解説) 「進路指導って何」で述べたように進路決定を確実に行うとともにそれが生徒自らの将来への自覚の高まりを伴うことを願う気持ちをにじませた。 ねらいについて (例)近年,本校卒業生においては,進学後の針路変更が増大する傾向が見られる。これは,進路決定にあたって将来への夢や適性と実際の進路選択が必ずしもかみ合わないものになっていることを示していると考える。そこで,今後の進路指導にあたっては一人一人が自らを見つめ,社会的な要請の中で目標を見定め,その実現のための職場,学校(学科)の選択を適切に行う能力の向上が不可欠であると考え,上記の目標を設定した。 (解説) ここでは簡単な現状分析も盛り込んだ上で,ねらいの各語句に込めた意味を説明している。 学校努力点との関連 (例)努力点「確かな基本から飛躍する力を」に沿って,自らを見つめ,基本的な生活習慣,学力を自発的に身につけるよう促していきたい。そして確かな進路選択を実現する力こそが飛躍という言葉にふさわしいと考える。 (解説) 進路指導も学校としての教育活動の一部であり,学校の基本方針に則って行われるべきである。 各学年の指導内容 (例)《各学年共通》進路学習ノートを活用する。【1年】学び方を身につける。社会に触れる。【2年】働くこと,働く人に触れる。社会を知る。手だてを知る。【3年】目標を確立する。手だてを理解する。力をのばす。 (解説) 進路学習ノートは学校独自で作成してもよいし,市販もされている。卒業後,最終的に職につくまでに,どのようなコースがあるか,など具体的に学ばせる。1年生では学習習慣の確立・社会見学を,2年生では数日間程度の職場体験を想定している。2・3年生の「手だて」とは,職場や学校(学科)の選択を,将来の夢を実現するための方法と捉えた用語である。 年間の進路指導関係行事 (例)保護者会(進路説明会,三者懇談等),進路講演会,実力確認テスト,就職選考・入学試験について例年の時期,進路委員会・推薦委員会等 (解説) 学年ごと,月ごとぐらいにまとめ,表にすると分かりやすい。 他の教科・領域・総合的な学習の時間との関連 (例)職場体験・福祉体験・環境学習・郷土学習・社会人講演会(総合的な学習の時間),道徳,特別活動 (解説) 特に総合的な時間の学習としてよく企画されるものの中に,進路指導と重なり合う部分が大きい。 |
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