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  進路指導〜プロへの道 第10回
 第10回は,過去の合否実績から本年度の合否予測を導くための方法を説明します。=2003.09.30=
《目次》
合否判定基準とは何か
1.基準作りの実際
2.『杉』システムで過去を重ね合わせる
3.過去のデータ集積についてのまとめと次回の予告
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合否判定基準とは何か
 生徒が誇りを持って夢と希望にあふれた進路選択をすることは大切です。しかし,例えば進学した高等学校で成績は上位なのか下位になりそうなのか予測できない状態で,またそもそも合格できる可能性の大小を全く考慮せずに挑戦するのは,やはり無謀です。生徒が希望が成就する見通しを持てずに,不安いっぱいに生活することも,根拠のない楽観的な気分で過ごすことも避けなければなりません。
 そこで,教師は希望する進路の成否について客観的な見通しを知らせてあげるべきです。もちろん誤解を生まない伝え方ができるように習熟する必要はありますが。
 教師はその見通しをかなりの確度でつかむためのデータを現実に持っているのです。そのデータを用いて的確な判断をもつという指導責任を果たすために,『杉』システムを活用してください。今回はそのための操作解説を行ないます。適切な進路指導に役立ててください。
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1.基準作りの実際
(1) 合否判定基準の目的
 過去のデータを集約して合格安全圏またはボーダーラインを知ることは容易です。ただ,それをそのまま生徒に伝えても指導とは言えません。一般的には進学先で成績上位にいた方が,入学後力が伸びるからです。ボーダーラインかそれ以下にいるような学校を希望する場合は,その理由を見つめさせ,体面とか友人関係などを問題にしているようなら,本当に考えるべきことは違うということを,知らせなければなりません。
 今述べたことはほんの一例です。客観データは指導の根拠になり得ますが,指導そのものではありません。判定基準を出した上で,数字をどう活用するかを,進路指導主事がよく考えて方針を明確に示すようにしましょう。
(2) 基準の作成に関する参考事項
 過去の合否のデータをなるべく幅広く集めてグラフ化します。そうすると,その高校が評定いくつ以下は無条件に不合格にしている,とか年度ごとにばらつきが大きいとか(特に定員の少ない学科の場合に起こりがちな現象),長期的な経年変化があるとか,いろいろなことが見えてきます。
 また本年度の中学3年生の進路希望調査の結果を複数校集めて,昨年同時期の希望状況及び最終志願者数とと比べることはかなり有効です。ただ,いずれにしても過去の合否結果そのものの集約が土台になります。
 近年生徒数の減少に伴い,ひとつの学校の1年だけの結果では判断しずらくなっています。近隣の中学校で協力してデータを持ち寄る,あるいは最近2〜3年間を集約してデータ数を増やすなどの努力が必要です。今回説明する機能は,そのために複数の学年データを重ね合わせて傾向を分析する作業をサポートします。
 (なお,これとは別に,数多くの学年を連結して数十学級あるような巨大な1学年として合成する機能がユーティリティーの画面に用意されています)
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2.『杉』システムで過去を重ね合わせる
(1) 付属の見本データ特別版から使用する表を選択
使用する表の選択方法 今回のテーマは,複数学年のデータの合成です。『杉』システムお試し版をダウンロードしたときの付属見本ディスクは,仮想データですが単一学年分のデータしかありません。そこで,今回は,この機能だけのための特別見本データを用意しました。ダウンロードして展開すれば,1枚のフロッピーディスク上に3つの年度のそれぞれ独立した学年データが作られます。

 ※ 特別見本データのダウンロードはここからできます。なお,ダウンロードするフォルダにランタイムdllもダウンロードしてください。ダウンロードしたsgdt0004.exe直接ダブルクリックすると展開が始まります

 ハードディスク上は今のところ10学年分しかデータが置けず,そのうち3学年分を占有するのは不都合なので,あえてフロッピーディスク(MOでもよい)に置くようにしました。
 ダウンロードしてフロッピーディスクに展開したデータからまず「2003年度」データを選択することによって開始します。あとは図を参考にして進めてください。

A:などに,上記で作成したフロッピーディスクをA:などにセットしてから『杉』システムを(アイコンをダブルクリックするなどして)開始する。
2003年度3年生を左クリック。
2003年度3年生公立判定用・進路委員会資料を左クリック。
[並べ替え]を左クリック。
 
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(2) 志望校別成績分布グラフの表示まで
グラフ表示に行き着くまでの説明図[相関]クリック。
前回の表示で再表示(R)をクリック。(過去に行なったX軸,Y軸等の指定をそのまま使う)
[対象別画面]を左クリック。
[基準表示]を左クリック。(次に[実行]を左クリックすると基準の灰色ゾーンが表示される)
[E)他の学年など合成]を左クリック。
[追加]を左クリック。(現在他の学年のデータは1個も読み込まれてないので,まず追加によって1つ学年を読み込む)
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(3) 過去のデータを重ね合わせるには…
過去のデータの選択A:(リムーヴァブルディスク)など(現在フロッピーディスクが入っているドライブ名)を左クリック。(同じフロッピーディスクの中に,他の学年データのフォルダあるのでこのフロッピーディスクの中から選択することになる)
実行A:左クリック。
2002年度3年生を左クリック。
公立高等学校受検結果を左クリック。

 追加する学年の表は,最初の学年データと,同じ種類の項目(項目名が上段・下段ともそれぞれ同じで,項目属性も同じ)を含まねばなりません。また,志望校の選択文字データ表は同じものを使ってください。それは,内部コードで志望校を判別しているためです。
 これが原因でエラーが起こらないようにする確実な方法があります。それは,まず最初の学年から,追加する学年ディスクの中に,見本利用を使って同じ形式の表を作ります。その表の中へ改めて過去のデータを複写するなり再入力するなどして新たにデータを作成します。そして,その表を重ね合わせるデータを含む表として選択すればよいのです。

 なお,グラフのx軸またはy軸の値として学年順位を使用する場合は注意が必要です。というのは,学年の在籍数が毎年異なるので,順位の値そのものを直接比較することができません。事前に数値に補正を加えておく必要があります。一番単純な補正は,人数比(基準年度の在籍数/追加する年度の在籍数)を一律に掛けることです。(計算画面の「合計」の対象項目を1個だけにして「×重み」を利用します)。他には,共通問題による学力テストの結果から換算表を作り,修正するなどの方法が考えられます。
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(4) 志望校別成績分布グラフの表示まで
データの重ね合わせ表示もう一度[追加]を左クリック。コ〜スを繰り返す。ただし,では今回は2001年度3年生を選択する。
色名ボタンを適当に選んで左クリック。追加した学年ごとに色を変えることができる。
表示実行を左クリック。これで図のように重ね合わせて表示できる。

 なお,[非表示]ボタンは,追加した学年データのそれぞれについて,一時的に表示を取りやめることができます。学年データの表記を左クリックにより指定してから[非表示]を左クリックします。また,[削除]は追加したデータを取り除くボタンです。
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3.過去のデータ集積についてのまとめと次回の予告
(1) 過去のデータ集積についてのまとめ
 以上をまとめると,過去のデータ,または他の学校のデータを,現在の学年の表の形式に合わせて作成し直す→今回の説明の通り実行し,グラフ化する→学校ごとに合否ラインや傾向を読み取り合否予測判定基準を作成する。
 このような手順になります。なお,データの整備にあたっては読み合わせなどにより,データの誤りが発生するのを防ぐよう努めてください。
 
(2) 次回の予告
 次回の「プロへの道」は,ver.2.00.84で実現した複数項目による判定方法について解説します。予定より遅れていますが,10月15日ごろまでにアップロードしたいと思います。もうしばらくお待ちください。
 
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