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● 22年度高校入学者の私立高校受験日…2009.03.10(火) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
愛知県内私立高校の一般受験日程が,発表されました。(5月18日現在)
○印が受験日です。 |
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● 昨日の入試問題を考える…2009.03.10(火) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3月9日は,愛知県内公立高校Aグループの学力検査(入試)日であった。 理科で,題意「金星が太陽を横切るときの視直径が太陽の33分の1であった。太陽の実際の直径は金星の何倍か」という問題が出題された。資料として太陽金星間の距離が1.08億km,太陽地球間の距離が1.50億kmというデータが示されている。 金星の見かけの直径は,右図のように金星を太陽の位置に投影したものと考えることができる。相似比から33×1.50÷(1.50−1.08)≒118という値を導くことができる。 選択肢には確かに,「118倍」があった。(正しい解法が思いつかない場合でも,金星の直径が地球の約9割で,地球の直径が太陽の109倍であることを使って苦し紛れに,109÷0.9≒121から一番近い値を選んでも,この場合は結果的に正解を得られる) 筆者がこの出題を不適切だと思うのは,現行の教育課程では天体の地球からの距離と視直径の関係は全く取り上げられていないからである。 以前の教育課程のように,日食で太陽と月の視直径がほぼ等しくなる理由を考える中で,天体の見かけの大きさと真の大きさ,そして距離について考える機会があったなら,このような出題も不自然ではなかろう。 けれども現在の中学生は,ほぼ授業で触れられたことのないことに対して,アクロバット的な直感と思考力を発揮して対応しなければならない。このような,授業と乖離した出題が,高等学校の入学者選抜において,本当に適切で,意味があるのかという気がする。 もっともそのような出題をせざるを得ない事情は,解らないこともない。現行の中学校教育課程では,科学としての基本的知識があまりに取り除かれているので,選抜するために難度の高い出題をしようとすれば,このような無理な出題になるのかも。 新しい教育過程では中学校で身につけるべき基本的知識の幅が,ほぼ10年前に戻って拡大するので入試問題も以前の形態に戻るのだろうか。 注意すべき別の問題として,理科の入試問題の場合,文章の読解力が相当必要であることに注目したい。その点で,理科の教科書の本文が,多くの場合日本語としてきちんとしていないところが気になる。これについては,後日改めて論ずることとする。 |
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● 2009年の年明けにあたって…2009.01.04(日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
新年明けましておめでとうございます。 年頭にあたって今日のわが国の教育がかかえる基本的な問題について考えてみたい。 OECD・PISA調査で第一位を続けるフィンランドの教育システムが注目されている。テレビ朝日の番組「サンデープロジェクト」の取材(2009.1.4放送)によると,フィンランドでは教育は大学まですべて無料で,すべての国民に平等に学ぶチャンスが与えられ,競争ではなく学習者相互が学びあって学力をつける。また教育内容は知識より思考力,学習力(大人になってから必要に応じて,自ら学ぶ方法をみつける力のことか)が重視され,教員には教育内容への広範な裁量権が保障されている。 教育のあり方として正解であるのは明らかだが,わが国のシステムが素直にそうなっていかないのは何故か?筆者は妨げるものが2つあると考えている。 第一は,「学習の原動力は,他者との競争である」という俗説が相変わらず幅を利かせていること。第二は教育の最大の目的は国家主義思想の注入にあるとする,過去の亡霊がいまだに彷徨っていることである。 |
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● 南部陽一郎・小林誠・益川敏英の3氏にノーベル物理学賞…2008.10.08(水) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
授賞理由は,物質を構成する究極の粒子クォークを6種類に増やした新モデルを提唱し,その後の高エネルギー衝突実験で実証されたこと。 (但し,そのうちクォークにも更に内部構造があるとする新理論が登場するだろう) 皮肉なことに,教育への成果主義の導入とはまだ全く無縁だった時代に,自由な精神で学問に取り組んだ業績に対する受賞であった。 学問の目的は真理の探究である。それが現実的に何かに役立つかといったら,ほとんど何もない,その意味では世間離れした活動である。 南部氏の物質・反物質の対称性のわずかなずれの理論を基礎とし,小林・益川両氏が6つのクォークのモデルを確立。それから数十年たち,高エネルギーの粒子衝突実験を積み重ねるうちに,どんどん確からしい理論となり,この日人類共有の価値として賞賛されるに至った。 その実用的価値は未だに不明であるが,いつの日か人類に巨大な幸福をもたらすだろう。現代社会を支える科学技術の基盤の,さまざまな大理論の多くは,発表時点では何に役立つか全く不明であった。それが基礎研究というものである。 今回の受賞は,目先の実利に直結する研究を優先して予算配分し,基礎研究が冷遇されるようになってしまった現在の日本の教育を,世界の学問界のトップが強く批判したと見ることができる。 いわく,「君たちの先輩は,目先の実用性にとらわれず,自由な発想で伸び伸びと好き勝手に研究を展開し,歴史の検証に耐える真の科学的成果を勝ち取った。その自由を投げ捨て,卑小な目標ににこだわる教育に汲々としている現在の君たちは,そのうち独創的な成果を何ら生み出せなくなるだろう。」 文科省や国立大学のトップから現場の小中高の教員に至るまで教育関係者は,今こそこのような批判にさらされていると受け止めるべきである。 また政府首脳は受賞を喜んで見せるが,現在の国家予算の配分方針への批判として受け止める見識があるだろうか? |
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● 「コピーアンドペースト」を考える…2008.09.07(日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
先日,NHKで大学生のレポート作成を手軽に済ますために,インターネットからの「コピーアンドペースト」という技が広まっている話題を取り上げていた。 「コピーアンドペースト」とは,ホームページ上で使えそうな文章を見つけたとき,@コピーする部分の先頭で左ボタンを押さえ,マウスを移動させて離し,表示を黒地に白抜き文字にして右ボタンで「コピー」(またはメニューの「編集」から「コピー」)を選ぶ。A作成中の文書の上で右ボタンで「貼り付け」(またはメニュー「編集」から「貼り付け」)。自分で論理を組み立て,文章を考える手間が省け,短時間に立派な体裁のレポートが完成する。略して「コピペ」…これが,小中学生の読書感想文にまで広がっている。 「クローズアップ現代」(9月1日NHK放映)で放送された脳学者・茂木健一郎氏の発言を要約する。 文章を生み出そうとして知恵をしぼり出し,苦しい思いをすればするほど,実は脳が成長する。苦しい思いの向こうには大きな喜びが待っている。「コピペ」はそんな貴重な機会を奪ってしまう。脳の特性は,「編集力」にある。(それに対してコンピュータは「検索力」)多量の情報を受け取った後,一度外部から遮断した状態(氏は,パソコンを通信から切り離した状態に例えて「オフラインにする」という表現を使っている)で,無意識下で情報が編集され(睡眠,その作業を行う大切な時間である)独自のアイディアを生み出される。その時間は苦しみでいっぱいだが,その手間を省くことは,わざわざ自分の価値を下げることである。 ヒトの脳のもつ驚異的な力を研究している氏ならではの意見である。だが,一流の研究者を目指すわけでもなく,楽ができればよいと思っている学生は目先のお手軽さを優先して,相変わらずコピペに精を出すことだろう。自分が将来どんな仕事につくかは分からないが,与えられた場面で力を発揮し,国も自分も幸せになるためにすすんで苦しみ,脳の力をつけようと発想する若者は現在の日本では少数派であろう。しかし,インドなど成長途上の国の若者の中では,恐らく多数派である。 若者が分野を問わず,力いっぱい自分の力を伸ばすことに誇りを持ち,それが周囲の人や国の幸せに貢献するという確信を持てることこそが,国の力であると思う。どうやって彼らの魂を目覚めさせるか,それが育てる側の課題であろう。 |
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● 愛知県公立・私立高等学校入試日程(21年度入学者)…2008.07.24(木) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
※1…各高等学校の入試日は別表参照。 ※2…各高等学校で発表日は異なる。 ※3…面接と特別検査(実技等)。音楽科特別検査のみ両日実施。 ※4…第1日は学力検査,第2日は面接と特別検査(同上)。なお本年度はAグループ→Bグループの順実施される。 |
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また,愛知県内の私立高等学校の受験日は次の表の通り。(平成20年7月11日現在)
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≪正式な日程は県教委,愛知県私学協会または各高校の公式発表を確認してください。≫ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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● 観点別評価を検証する…2008.07.23(水) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
評価という作業の実際を考えてみる。例えば,学習活動から,定期テストの得点を観点別に配分したものと,その他の提出物などを得点化したものを一人つづ観点別に集計し,満点の40%以上なら「おおむね満足」つまりB,80%以上なら「十分満足」つまりAとする。評定は,4観点すべてAなら5,B3個とA1個なら4のように観点別学習状況のパターンに対応させる。下の表(1)はある学年理科の実際の例である。結果,評定5・4合わせて14.6%,1・2を合わせて31.2%となり,分布の偏りが大きい。その原因として,「科学的思考」「知識理解」では,A,Bともしきい値以上を獲得した生徒の割合がかなり少ないことがわかる。そこで,関心態度以外の3観点について,それぞれA・B・Cのしきい値を下げて再計算し,各観点でしきい値を上回る者の割合が多くなるようにした。その結果,表(2)の結果を得た。評定の分布は比較的対称に近くなっている。 けれども,事前に決めたA,B,Cの境界を,結果を見てから変更することがはたして妥当なのか。原理的に考察してみたい。 文部科学省の通知によると,指導要録に記載する観点別学習状況は3段階で,「十分満足できると判断されるもの」をA,「おおむね満足できると判断されるもの」をB,「努力を要すると判断されるもの」をCとする。それでは,十分あるいはおおむね満足するかどうかは,「教科の特性を考慮して設定された目標に照らして,その実現状況を総括的に評価し,記入する」。では,「教科の特性を考慮して設定された目標」とはどのようなものか。中学校1年で扱う「密度」を例にとって考える。 |
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<中学校学習指導要領−第2章:各教科−第4節:理科> ア 物質のすがた (ア) 身の回りの物質の性質を様々な方法で調べ,物質には密度や電気の通りやすさ,加熱したときの変化など固有の性質と共通の性質があることを見いだすとともに,実験器具の操作,記録の仕方などの技能を身に付けること。 これを実際の授業に適用する。 密度は単位体積あたりの質量であるから,体積と質量を測定し,割り算をする必要がある。このうち,体積を求めるために実験器具としてのメスシリンダーの扱いに求められる「操作の技能」の中身を分析してみる。@メスシリンダーで体積を測定できることを知っている。A水平な面に置いて測定する。 B毛細管現象を考慮し,水面は二重の線の下の方を読み取る。C読み取る視線を水平にする。D最小目盛りの10分の1まで読み取る。E体積を調べたい物体を糸で吊り下げ,静かに水中に沈める。このうちどれを正しくできれば「おおむね満足できる」のか。さらに詳しく見ると,Dは,最小盛りが1立方センチメートルなら,0.1なのでまだ分かりやすいが,最小目盛りが0.5立方センチメートルの場合は,厳密には小数第2位が5,または0のどちらかになる。「十分満足できる」はこれらのうちどののレベルに達したときか。時間を限りなくかければ,ほとんどのこどもにほぼ正確な操作をさせることができる。しかし,現実には指導内容の量と授業時間数,指導計画の兼ね合いから,適当なところで打ち切らねばならない。授業はこどもの反応をフィードバックしながらすすめるので,実際に行われた指導内容のレベルに連動して,評価基準の細部は結果的に変動するのが当然となってくる。 このように,授業を経てはじめてわかる生徒の実態もあるのだから,事前に決めたしきい値をあまりに杓子定規に適用する必要はない。機械的で融通のきかない評定の結果,Aをとるのが簡単に過ぎると,現状に満足しさらなる向上の可能性を摘み取るだろう。Cが多すぎると努力しても報われないと思う生徒も出てくる。評価の分布は適度にバランスがとれているのがよい。最後は教師の目で見て,「十分満足」にふさわしいこどもが評価Aをもらっていることを確認する。また,評価Cは「努力を要する」のだから,どこをどう努力すればよいのか,個別にていねいに導いてやる必要がある。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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● 「元少年」への死刑判決を考える…2008.04.23(水) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
少年に対して死刑を言い渡す際のハードルは,成人よりも高くすることになっている。しかしハードルを下げ,もっと成人に近づけてもいいのではないかという意見も強まっている。しかし,その議論の前に大切なことがある。何よりも罪を犯した少年自身に,自分の行為が引き起こした結果と,その責任を心の底からしっかり理解させることである。青少年は,成長過程にあるが故に,しばしば自己の行為の重大性に対する理解が未熟であるが,逆に体験から真に学べば残りの人生を正しい方向に築いていく可能性が大きいのが,もう一つの特質である。 従って弁護士が少年の弁護を引き受ける場合,検事や裁判官に対して少年を弁護する一方で,少年自身が自らの罪にしっかり向かい合えるよう,大人の立場から成長を促すのがもう一つの役割である。 今回の山口県光市の母子殺害事件に対する,高等裁判所への差し戻しの理由は,「死刑の選択を回避するに足りる特に酌量すべき事情があるかどうかにつきさらに慎重な審理を尽くさせるため」(判決理由要旨)であった。だとすれば,元少年が自己の行為に真摯に向き合い,心の底から自己の誤りと後悔の念を表明し,死をもって償うのが全く正当だと受け止めていることを,一点の曇りも無く示し,被害者の家族もそれを受け入れるよう変化すれば,裁判官が「特に酌量すべき事情」と見做す可能性が,僅かながら生まれる。 ところが弁護士は,殺人の行為そのものを否定する荒唐無稽なストーリーを創出し,被告がそれを演ずることによって,冤罪事件に仕立てる作戦をとった。その結果,元少年に「このようにすれば罪から逃れられる」狡猾な手段が存在しうるような幻想を与え,自己の行為に真摯に向き合う可能性を奪ったである。 その結果,裁判官は「死刑を免れることを意図し虚偽の弁解を弄しているというほかない」として「更正の可能性を大きく減殺」し,「死刑回避のために酌量すべき事情を見出す術もなくなった」と述べるに至った。弁護士の作戦が,被害者に共感する巨大な世論に逆らわない向きに,裁判官を躊躇無く足を踏み出させる梃子(てこ)になった。 妻子をもつ筆者自身は被害者に共感し,感情的には今回の判決に大いに満足する。ただ,それはそれとして罪を犯した青少年に対しては,まず自らの行為に真剣に向かい合わせることを何よりも大切にしたい。 |
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● 愛知県公立高等学校入学者選抜における学校別志願者数等のインターネットによる発表について…2008.01.29(火) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
表のようにインターネットによって発表されます。 高校入試情報を提供するホームページ(愛知県教育委員会) |
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● なぜ「いじめたくなる」のか? いじめる側の心にも迫れ…2006.11.08(水) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「自殺予告:伊吹文科相『世の中は君を放っていない』〜伊吹文明文部科学相は7日の閣議後会見で、自殺予告の手紙を送った差出人に対し、「命は一つしかないものだし、自分だけのものではない。君が生まれた時はお父さん、お母さんが君の命を腕の中に抱きとってくれたわけだから、誰かに必ず気持ちを正確に伝えてください。世の中は君を放っているわけじゃないことを理解してほしい」と呼び掛けた。(MSN毎日インタラクティブ=毎日新聞 2006年11月7日 11時03分) 閣僚がいじめられている子どもの味方であると宣言したことは,よいリーダーシップを発揮したと思う。教育に関わる人すべてが,同じ気持ちになるように願っている。 さらにもう一歩,いじめる側の心理に迫り,対応に踏み出すことを望む。いじめる側が,単純に「自分本位の行動が相手を傷つけた」ことに気づかせれば解決する程度のことなら,教師や親がそのように指導すればよい。しかし,いじめる側がまた,強烈なプレッシャーを受けていたり,また愛情に飢えた心の塊である場合も少なくない。 彼らは加害者であると同時に被害者である。背景に,社会を覆う競争原理の風潮が,子どもにも受験のプレッシャーをかけている。また,収入の低下・長時間労働により,親が余裕をもって子どもに接することができなくなり,子どもの思いを親が受け止められない場合があるのも見逃せない。教師もまた,数値目標の設定だの詳細な指導計画作りだのと,膨大な形式的書類の作成に忙殺されているときではない。まず児童生徒に直接,たっぷりと接して些細な心のシグナルを受け止めることを最優先にしたい。 |
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● この報道ではさらに誘発する…2006.10.18(水) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
福岡県筑前町の中学2年の男子生徒が自殺した事件で,教師の言動がいじめを誘発したという報道はショッキングである。1年のときの担任は「からかい易い生徒であった」と述べたと言う。確かにこれは事実関係や関係した教員・生徒の心理を時間をかけて究明すべき問題である。が,現時点の報道では,教師の言動がいじめの「原因」であることを明確に認めよ,などマスコミとそれに影響された多くの人々が担任,校長という個人を責める構図になっている。つまり,ここにもう一つの大規模ないじめが進行している。(そして,こうやっていじめるのだという見本をまた,子どもたちに示している) 少年少女が自ら命を絶つのは,痛ましいことであるが,自ら死を選ぼうとするときの心理状態は,攻撃的である。私が危惧するのは,死を意識するほど思いつめた多数の少年少女が,このニュースを見て,「自分が自殺すれば,このように世間が先生に復讐してくれる」と考えてしまい,自殺に踏み出す子どもが続くことである。 大人がいじめを誘発してはならないのは当然であるが,世間には人を傷つける言動はありふれていて,多くの子どもが(自らの破滅ではなく)周囲の援助を受けつつ,適切な対処法を身につけ逞しく成長していくのもまた事実である。 今,報道に要請したいのは,特定の個人の行為をあげつらい,社会の敵として葬り去るムードを増長させることではない。連帯した大人が自身の姿勢として,「君の傍には必ず気持ちを分かってくれる人がいる」「大人自身が,どうして,先生ともあろうものが不用意な言動をしてしまうのか考え,自らの問題として克服する努力をする」というメッセージを,悩む子どもたちに送ることである。そして大人が,前向きな報道に励まされて,「自らの不満を序列が下のものを攻撃することによって解消しようとする」心理を克服する勇気を自らの心に高め,子どもに範を示すことを願っている。 |
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● 「起業家」を生み出す教育と,ライブドア事件について考える…2006.09.07(木) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「ライブドア事件で,証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載,偽計・風説の流布)罪に問われた前社長,堀江貴文被告(33)に対する初公判が4日,東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれた。堀江被告は罪状認否で起訴事実を全面否認し,無罪を主張。さらに,『起訴状は悪意に満ちた内容で心外だ』と述べた。これに対し,検察側は冒頭陳述で,粉飾決算など一連の不正行為が堀江被告の主導だったことを詳述。公判が分離されている宮内亮治被告(39)ら元側近は,ほぼ検察側主張に沿った供述をしており,堀江被告と検察側の対立が鮮明となった。」(9月4日産経新聞配信→YAHOO!JAPAN ニュース) 検察の主な主張は,粉飾決算という不正を行うことによって,株価を上げて利益を得ようとしたとする。一時期のライブドアの活動のように,あっという間に利益を上げ,会社を成長させるリーダーの姿は,夢に向かって挑戦する若者の理想像だと持ち上げる風潮があった。本当に素晴らしいことなのか,また,それの教育活動との接点について冷静に考えてみたい。 一時期のライブドアの活動は,仮に不正がなかったとしても,その手法は,「安い株式に価値の幻影を見せて引きつけ,高く買わせて利益を上げる」だったと見られる。これでは,いかに才覚に優れていたとしても,他の投資先に流れたはずの資金を集めるだけだから,原理的に必ず同額の損失を競争相手の企業や投資家に与えている。その利益と損失を合計すれば,総額0である。(マージャンの点棒のやりとりと同じ)だから,その才能は賭博の才能と同質であって,社会の資源そのものを豊富にする才能ではない。 それに対して,ものづくり(「ものづくり」とは,物理的存在に限らず,情報〜コンピュータ技術など〜や,スポーツや芸術も含めて考えたい)における才能と努力は,購入者の生活を豊かにし,なおかつ発明者を跳びぬけて豊かにする。この競争は,敗者であってもその恩恵を受けることができる。なぜなら,社会の資源=富そのものを増加させるからである。 これら2種類の企業活動を比較する。同じ「成功」といっても,両者は本質的に異なる。どちらも若者は夢を抱き,力を尽くして挑戦する。しかし,ライブドア型の投資による勝者の成功は,敗者の損失の上に成り立っている。それに対して,新しい技術やアイディアをものづくりに求める企業の勝利は「敗者」を含め人々の生活を豊かにする。その本質的な相違を見極める力が大切である。 学校教育で経済活動について,学習機会を増やす必要があるかもしれない。同時に,そこで目指すものや手段が,社会に資源を還元できる活動であるかどうかを判断する力を育てなければならない。その判断力は,基礎となる数学・科学的思考力(たとえば数量処理やエネルギー保存則を理解し,環境問題について主体的に考えることができるなど)の形成を重視し,体験的にものづくりのよさ,勤労の喜びに触れることから育つものだと考える。 |
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● 愛知県公立高等学校一般入試日程(19年度入学者)…2006.08.14(月) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
※1…特別検査は,デザイン科,クリエイティブデザイン科,美術科,音楽科,スポーツ科学科について実施 |
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≪正式な日程は県教委の公式発表(→平成19年度愛知県公立高等学校入学選抜実施日程)で確認してください。≫ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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● 「働く貧困層」について…2006.07.24(月) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
7月23日(日)のNHK総合テレビ「NHKスペシャル」は,「急増"働く貧困層"」と題して,就業していても,生活保護水準以下収入しか得られていない人たちが増加している問題について取り上げていた。ちょうどOECDは,さる7月20日に対日経済審査報告書を発表し,「所得格差について初めて詳細に言及。企業が雇用保護の手厚い正社員より非正社員を雇う動きを強めたことが格差の主因だとしたうえで、『非正社員雇用の流れを弱めるために正社員の雇用保護を緩めるなどルールの見直しが必要だ』と提言した。」(毎日新聞/[07月20日 13時42分],グラフは「しんぶん赤旗」7月21日より)可処分所得が中央値の半分に満たない人たちの割合が大きいと言うことは,つまり所得の分布が低位に広がっているということで,俗に言う「格差が大きい」ことを意味する。NHK特集で描かれた「働く貧困層の急増」を数値的に裏付けるデータと言えよう。 同特集で評論家3氏が結論的に述べていたのは,@貧困層からの脱出は難しく,ひとつの塊として沈殿して,社会の健全性を損なうA必要な税金を投入して教育の機会均等を保障し,努力すれば脱出できる条件を保障することが必要B貧困層は今後も再生産(「貧困層の子弟はまた貧困層の一員となる」意)されるとして,それぞれ憂慮すべき問題であると述べていた。 このように働く貧困層が増加した原因は,企業が生産効率の向上の為に,さきに引用したように「企業が雇用保護の手厚い正社員より非正社員を雇う動きを強めた」ことである。一時期世間で話題になった「合成の誤謬」がここにも存在する。すなわち個々の企業にとっては正しい論理だが,それが集まると社会自体の質の低下を招き,長い目で見れば結局企業の国際競争力の低下という形で跳ね返ってくる。 だから,政府は個々の企業の利害に従属せず,望ましい社会の理念を掲げて必要な規制を行うべきである。民主主義国家において,有権者は,そのような内閣を形成できる国会議員を選出する責任がある。また,教育関係者には,現実を直視し,結果としての家庭環境を理解し,少しでも貧困層から抜け出せす力を与える学習指導・進路指導を実践し,生徒と共にこのような社会のあり方について考える教材を授業に取り入れる努力を期待したい。 |
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● 読解力低化?…2006.06.24(土) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
23日朝のNHK第1放送で,元解説委員の野原明氏が「読解力低化」の問題を取り上げて解説していた。ニュース自体は少し古いが,大切なことなので紹介する。 【共同通信】経済協力開発機構(OECD、本部パリ)が昨年、四十カ国・地域の十五歳を対象にした「生徒の学習到達度調査」(PISA)で、日本の高校一年生は、実施四分野のうち読解力が前回(二〇〇〇年調査)の八位から十四位に、数学的応用力も一位から六位に下がったことが七日、分かった。読解力の得点は参加国の中で前回からの低下幅が最も大きかった。 (2004.12.8) 野原 明氏(文化女子大学教授)による解説…@ 読解力指導は国語だけではなく,あらゆる教科の中で行う必要がある。A教材の文章を理想化して学ぶ授業が一般的だが,これでは批判的読み取り能力が育たない。B テストの出題は,現状では授業内容の振り返りが中心であるが,読解力を試すには未知の文章を出題することが必要。(引用はここまで,以後筆者の意見) 読み取る力と,考えをまとめて的確に表現する力は表裏一体である。「読み取り,考えを文章にまとめ,発表し合って議論し,また添削を受ける」サイクルによる活動は時間と手間のかかる指導である。従来型の教科の授業時間の大幅削減の結果,これが一番減らされたのであろう。飛躍するかも知れないが,青少年が気持ちを相手に伝える言葉をもたないから,暴力的表現しか術がなかったり,引きこもったりする。これらはもちろん突出した事例だが,一般的な生徒でも将来それぞれが働く現場で,コミュニケーション能力不足により円滑に共同作業ができなくなり,数年後に社会自体の質の低下を招くのではないか。 教員に数字による短絡的な成果主義(極端に言えば学力テストの得点を競わせる)を強いる風潮が高まっているが,現在の議論から学び,がっちり連帯してプロとして自信を持って,現在のこどもにとっての真の課題に応える授業を実施し,俗論による世間の圧力を跳ね返してほしい。 必要なのは,教員自身による現在の議論に対する「読解力」と,教員が一般の方に取り組みを知らせ,協力をお願いする「表現能力」なのかも知れない。 |
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[付記] 前回,愛知県で2つの群に所属する高校に出願する場合,志願変更の範囲はどうなるかという疑問を述べたが,最初の出願時点で1群または2群のどちらかに固定され,志願変更時に相手校を,群の違う学校に変更することはできないようである。(だから,工業・商業など群のない高校とは扱いが異なる) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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● 愛知県内公立高等学校は,平成19年4月入学予定者から,入試の群・グループ分けが変更…2006.05.29(月) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【参照】平成19年度以降の愛知県公立高等学校(全日制課程)入学者選抜における群及びグループ分け並びに通学区域の調整区域について(同県教育委員会のホームページより) これまで,新設校の追加を除いて基本的に群(同時に出願できる高校の範囲;ただし普通科だけ)と,グループ(受検機会が2回あり,それぞれAグループ,Bグループと呼ばれる)は,この制度になって以来変更されなかった。今回,一部の高等学校について群,グループが変更になったほか,いくつかの普通高校が「1群」「2群」の両方に含まれるようになった。つまり,ある高校名が「1群A」「2群A」の両方にある場合は,相手校として,「1群B」「2群B」のどちらでも組み合わせることができるということである。これまで,「ア高校は,第1希望のイ高校を不合格になった生徒の受け皿になってしまい,雰囲気を重くしている」という声も聞かれるなど,ある種の固定化が進行していた。そういう現状に対して,より多様な生徒を入学させ,活性化することで打破しようという意図であろうか?(個々の高校にとっては,群・グループの変更が合格者の学力の分布に微妙な影響を与えるので,調整は難しかったのではないかと想像される) ところで,志望校の一方が普通科でない場合は,他方の普通科の高校を群の違う高校へ志願変更ができたが,1群2群共通校の場合,志願変更先の範囲はどうなるのだろう? なお校内資料を作成するにあたって,共通校を別高校扱いするか否かという問題がある。「杉システム」が先日更新した見本データでは,同一校とした。同じ高校を希望する生徒を2箇所に分けて資料を作るのは不自然であるという考えに基づいている。 |
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● 総合的な学習の時間の削減も視野に入れた授業時間数の見直しを示唆…2005.01.22(土) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中山成彬文部科学大臣は18日、宮崎県小林市で<基礎学力向上のため、総合的な学習の時間の削減も視野に入れた授業時間数の見直しを示唆した。 毎日新聞(1月19日)から引用する。 中山成彬文部科学大臣は「『スクールミーティング』のため訪れた宮崎県小林市で」「市立小林中の生徒、教職員らとの懇談後、『子どもも先生も忙しくて余裕がないと感じた』と述べ、学校5日制でも『土曜の活用の仕方を工夫する必要がある』と語った。総合的な学習の時間は新学習指導要領(小中学校は02年度、高校は03年度から)の目玉で、従来の教科にとらわれず「生きる力」を育てるため創設された。主要教科の時間が減り、学力低下を招いているとの指摘もある。中山文科相は昨年12月の中央教育審議会総会で、国際学力調査に表れた学力低下傾向や学ぶ意欲の低下などを理由に「指導要領全体の見直し」の検討を求めている。」 教科の枠をこえて学校独自に体験学習・調べ学習・成果発表を計画し,子どもたちが生き生きと活動する「総合的な学習」と,各教科での基礎学力形成とで車の両輪として力が高まっていくのが理想で,個別にはその実際の例もある。 ただ,学力が低下しているのはどうも事実だから,全体としては成果を上げていないのである。その原因は,現在の教員の力量では,総合の時間を理想どおり生かしきる精密なカリキュラムの創造と教材の準備が追いつかず,時間のある割合が無駄になっているところにあると考えられる。教科書一つとっても,教科に用意された教科書は詳細なカラー資料が美しく印刷され,頑丈に製本されたものが用意される。そのしくみは定着しているので,現場の教員は教科書を作る作業からは完全に解放されている。 しかし,総合の時間は,教科書に相当する教材から無から作っていかねばならない。がんばって教科書並みの丈夫さ,美しさ,そして何より豊かな内容を備えた資料を(書籍以外であってはいっそう)現場で作ろうとすれば教員の勤務時間を超えて,寝食忘れた取り組みが必要になる。そんな無理は決して長続きしない。 そうすると,安定した指導要領と実証済みの指導過程に基づき,工夫され長年の研究で改善されてきた教科書を中心的に使う既存の教科の授業システムは,時間を実に効率よく使って学習効果を上げたことが再発見されたとは言えないだろうか。 教科の枠を越えた学校独自のカリキュラムを創造して生きる力を育てるというと格好いいが,教科学習に比べて総合の時間の時間の使い方は隙だらけである。(既存の教科並みに精密な指導内容が用意しきれない)総合の時間に活動する児童生徒の,生き生きした様子を見るのは楽しいが,それと,実際に学力や「生きる力」がきちんと育っているかどうかは別問題である。 かつて「総合的な学習」創設されるとき,既存の教科学習のまま,あるいはその枠内の改革では「生きる力が育たない」という論証がされたのだろうか?そもそも文章の読み取り・数学的思考力は「生きる力」の最上位にランクされるのではないか? |
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● 物理関連3学会が申し入れ=理科の時間数の回復などを中教審に…2004.12.26(日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日本物理学会と応用物理学会、日本物理教育学会が現行の学習指導要領の問題点と改善案をまとめ,12月22日に中央教育審議会に提出した。 時事通信(12月22日)の要約では,現行の学習指導要領について,理科の学力低下は「学校週5日制と『総合的な学習』の導入で理科の学習時間が削減され、内容が系統的でなくなった」ことが一因としている。 筆者の解釈では,自然現象について,ていねいに筋道立てて論理を組み立てる過程の習得抜きに表面的な知識を細切れに覚えるだけでは,退屈だし,科学に触れる醍醐味も分からないだろう。授業時間が確保できないのなら増やせばいいのである。 また,共同通信(同日)の要約では,「『科学の理論や法則は普遍的ではない』との特殊な認識を基に、学習内容よりも子供たちの意見表明を重視したため、子供たちは何が正しいか分からなくなっている」としている。 その意味を筆者なりに解釈すると,「学ぼうとする」意欲・関心を単独に評価するために「子どもたちの意見表明を重視」する。確かに,意見発表に興味を持たせるために教員は一時的に「科学の理論や法則は普遍的ではない」ことを前提にして発問する。ただ,現行の指導要領では,その後始末(検証して普遍的原理の認識までもっていく)までは十分しなくてもよい。中途半端な状態のままでも単元の学習を終え,あれこれ発表する姿から意欲・関心を評価せよということらしい。この指導では,突き詰めれば前述の「特殊な認識」に基づいていることになる。 だが,現実には,人工衛星の打ち上げ一つとっても個々の部品のはたらきやその動作の連携において「普遍的な理論や法則」に一箇所でも反するところがあれば,打ち上げは絶対に成功しないのである。普遍的原理に達しないまま育って将来国の産業を支える人材として大丈夫だろうか。 次の指導要領こそは,教育の目的を再検討して目標を掲げ直し,人の知的発達についての厳密な理論に基づく詳細な検討を経て作られるべきであろう。 |
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● 「学力低下」の背景は?…2004.12.18(土) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
OECDの2003年学習到達度調査(PISA) で,読解力の低下や数学的活用力の1位から6位への低下が明らかになったことなどをきっかけにして,「学力低下」が世間で話題になっている。 以下はその背景について,現職の中学校教諭の意見である。 1994年ごろから,教育改革の内容を聞いてこれではだめだ思った。 その1…(新しい学力観についての当時の文部省の講演を聞いて)学びの結果としての知識の定着よりも,学ぼうとする姿勢自体を評価するのだそうである。そうすると,例えば九九の暗記が苦手な児童に迎合し,苦痛の伴う定着を強いるより, 楽しいゲーム的な授業に流れ,それに興じる姿を『関心意欲態度=◎』と評価するようになる。結 果的に基礎的知力が欠落し,苦痛に耐えることを 知らないとんでもない子どもが育ってくるだろう と思った。 その2…従来の教科時間数 の削減が,学校5日制への移行により計算される値より大きいことに驚いた。これは「総合的学習 」の創設による。文部省の方針では総合的学習とは「学校が学校独自に全く自由に設定する教育活動である。だから,そのひな形も示すつもりはない。ただし,基礎を定着する時間に宛ててはならない」となっていた。残念ながらこれは空想だと思った。ほとんどの場合,ひとつの学校単位で児童生徒の現状と可能性を分析し,原理的・戦略的 に独自のカリキュラムを作る力はない。結果的に,地域・福祉・環境・国際理解のどれかの調べ活 動と体験活動でお茶を濁すことになる。実にもっ たいない授業時間の使い方になったものだと呆れた。 少し横道にそれるが体験主義の愚かさについて …一つの例として環境教育について考えてみよう 。 総合の時間に河川の水質検査に取り組めば「汚れているから台所から油を流さないようにしよう」と思うだろう。しかしその程度の情緒的 ・表面的な受け止め方で本当に環境問題にたちむかう力が育つだろうか。 むしろ基礎的な実験で化学変化がエネルギー収支を伴うことを実感し,現象の奥にある原理を発見する快感を知り,さまざまな現象に原理を適用する知的な冒険することに時間をかける授業。そして学んだ原理の適用例として現実の環境問題に触れ,「こなせる」ようにすべきである。そうやって,児童生徒を将来の未知なる困難に立ち向かう知力を備えさせ,たくましく育てたいものである。 |
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● 「『ダブル不合格』愛知で急増」という記事について…2004.05.04(土) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
名古屋の地元紙である中日新聞は,4月26日付<高校生>のページで,2004年度入試で公立高校を2校受験して「合格校なし」だった人数が名古屋市内の普通科高等学校で2003年に比べて大幅に増えたとする記事を掲載した。確かに掲載された一覧表(「塾の会・愛知」調べとしている)を見ると,2002〜2003年度に比べ,軒並み1.5〜3倍程度になっている。記事にはまた,同会関係者の,内心点のインフレ化が進み,学力を過信した受験生が上位の進学校に殺到した」という意見が載っている。要するに評定のよい生徒が大幅に増えているのに,受験生は自分の数字だけを見て学力があると錯覚して無謀な挑戦をしたとする見方である。 本欄でも繰り返し述べたが,2004年度入学者選抜についての制度的な変更点は(ア)調査書に記載する評定が,いわゆる絶対評価に変わったこと,(イ)Bゾーンの判定用の数値に,高校ごとに評定か学力検査得点のどちらかを1.5倍して合計してよいことになったこと,の2点である。現実を見ると,(1)評定分布は明らかに4,5の割合が相対評価の時代より多くなった。(2)高校の普通科の多くはV類型(学力検査を1.5倍する)を選択した。 さて,これを進路指導する教師の立場で受け止めると,過去の資料がないし,他の中学校の評定分布や現在の受験生の志望状況を広範に知るのは難しい。その結果,指導の物差しとして,従来並の制度の高い数値を設定するのは困難だったであろう。その設定に失敗したか,または資料の信頼性が不足していて「合格困難である」と確信を持って言い切ることができなかったと考えられる。指導を受ける生徒側の判断も様々となり,ある高校への受験生の成績分布は当然裾野が広がっているはずである。だから,「学力を過大評価」するのと同程度の「学力を過小評価」した「ミス」もあり得たはずでなる。但し,この場合は「本当は他のもっと難しい高校を受験しても合格できたはず」ということに過ぎず,結果的に合格できているのだから実際上問題になりにくいと思われる。 |
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● 公立高等学校は,予想以上に学力重視?(愛知県)…2004.01.24(土) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
さまざまな情報によると,愛知県内公立高等学校の推薦入学で,多くの高校では合格ラインの9科評定合計の目安は昨年度より上がると予想されている。(1点かそれ以上?)これは到達度評価に変わったことを考慮したとも考えられる。しかし,到達度評価による評定の上昇は従来各教科の評定が1〜3であった場合が中心だと考えられ,相対評価で40(平均4.5ぐらい)とれる生徒が到達度評価で42ぐらいに上がるとは考えにくい。(もっともオール5が続出している中学校があるかも知れないが) もうひとつ「恵まれない環境を克服」の条件が絞り込まれたことと併せて考えると,今年度高等学校は,一般受験を含め相当実力を重視した選抜にしようとしているのではないか。だから,推薦合格者の割合を10%(普通科),30%(その他)を超えて合格させていた分をやめたり,相当合格ラインを上げたりして合格者を絞り込むかも知れず,結果が注目される。 また,一般受験では,評定と学力検査の相関は明らかに弱まるので,「I〜V類型による選抜(学力検査を1.5倍など)」が公表されているが,それ以上に,各高校の判定委員会の内規で学力検査による足切りなどを行うかも知れない。 いずれにしても,選抜の公平性・客観性の観点から調査書の評定の扱いについて問題が残るのは確実である。 |
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● 私立高校用評定分布表に,割合も掲載(愛知県)…2003.11.02(木) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
これまでは,私立高校の評定分布一覧表は,評定数のみの記入という話であった。しかし,私立高校から中学校に対して,改めて,評定数のパーセンテージを付記した評定分布一覧表にしてほしいという申し入れが行なわれているとのことである。 杉システムでも,このような書式に対応するために,入力したデータで直接様式どおりの一覧表を作成できるようにしたいと考え,一覧表上で合計,割合の計算ができるようにした(バージョン2.00.90)。 端数処理についのは,四捨五入が基本であると思われるが詳細は不明である。 今後明確化した場合,杉システム本体の変更は不要で,一覧表書式データ中の計算式の設定で対応できるようになっている。 ※ なお,公立受検については,従来あった全員の評定一覧表はなくなるのではないかと予想したが,引き続き提出が義務付けられている。 |
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● 公立推薦「恵まれない環境」に該当する事由の範囲が狭められる(愛知県)…2003.10.26(日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
このように「恵まれない環境」推薦は実質的に他の生徒より有利である。この推薦条件は「恵まれない環境を克服し…」と表現されているが,事実上「経済的に」困難な家庭にいた場合である。 ここで注目点は,これまで相当部分を占めていた(7)がなくなったことである。それでも他の条件に該当する場合はイ推薦が可能だが,その場合税務署か区役所などに保護者が足を運ばなければならなくなる。(7)ならば学校長が発行する証明書で済んだのでこの点での負担は少なかった。 なお,この変更を含め,「平成16年度入学者選抜はここが変わります」として次の4点を記載したリーフレットが,県教委・名古屋市教委から現在の中学校3年生の全家庭に配布されている。
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● 公立・私立調査書に添付する評定分布表について(愛知県)…2003.10.23(木) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
既述の通り,平成16年度入学者選抜にあたって,中学校の作成する調査書に掲載する評定は「目標に準拠した評価」(いわゆる絶対評価)である。相対評価の時代,公立高等学校受検にあたって調査書に記載する評定数は厳密なしばりがあった。それは,中学校ごとにのべ評定数(受検者数×教科)を1〜5を1:2:4:2:1の割合に正確に割ること,そして端数の処理法のルールまで含むものであった。更にその裏づけのために,3年生全員の学年末の評定一覧表(当該校の受験者以外の氏名は伏せる)の提出が義務付けられていた。 絶対評価の場合全員の評定一覧表は当然無意味なものとなる。その替わり16年度入学者選抜にあたっては,教科別の年度末評定割合一覧表を添えることになった。(恐らく%単位の相対値で記入すると予想される) また,私立高等学校の場合は,前年度まではなかったが,2学期の教科別評定数一覧表を添える。これは恐らく,受験者の評定について,評定分布が従来の相対評価の分布に近い場合はそのままで,分布が前年と大きく異なる場合は適宜修正を加えて判断できるようにするのが目的であろう。 |
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● 愛知県公立・私立高等学校入試日程(16年度入学者)…2003.07.22(火) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
※1…各高等学校の入試日は別表参照。 ※2…各高等学校で発表日は異なる。 ※3…面接と特別検査(実技等)。 ※4…第1日は学力検査,第2日は面接と特別検査(同上)。なお本年度はB日程→A日程の順番で実施される。 |
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また,愛知県内の私立高等学校の受験日は次の表の通り。(平成15年7月16日現在)
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≪正式な日程は県教委または各高校の公式発表を確認してください。≫ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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● 再び16年度に愛知県公立高等学校に入学する生徒の選抜について…2003.07.12(土) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2003.02.18付の解説は,本サイト担当者の推定を含む。その後1月29日付の県教委発表文書を改めて精読した結果,その高校を第一志望とする生徒だけを取り出して…という複雑な方法はとらないだろうと思うので,改めて解説をし直す。 「一般入学受験者のうち、調査書の評定合計と 学力検査の結果が一般入学募集人員内にある者を 「A」とし、これに属さないものを「B」とする 。」の意味…「A」ゾーンは,受検者全員(おそらく第1希望,第2希望を区別しない)を,評定合計(16年度から必修9教科の合計×2=90点満点)だけでならべて定員内にいて(図のアのライン以上),かつ学力検査(16年度から各教科20点満点×5=100点満点)だけでならべても定員内にいる(図のイのライン以上)生徒。そしてBゾーンは「A」ゾーンに入らなかった生徒。 「A」ゾーンに入った受験者は評定合計と学力検査得点をそのまま加えた数値を基礎資料とする。 「B」ゾーンは,評定合計と学力検査得点を,そのまま(T),または評定だけ1.5倍して(U),または学力検査得点だけ1.5倍して(V)合計した数値を基礎資料とする。そして,T,U,Vは高等学校で独自に学科別に選択することができる。 もちろん,各高等学校は上記の数値だけで機械的に校内順位をつけのではなく,調査書のその他の記述など総合的に判断して順位をつけることになっているが,よほど飛びぬけて優れた特徴を持つ者以外はこの数値の順に並ぶことだろう。なお,Bゾーンに属する生徒をAゾーンの生徒の途中に割り込ませたり,逆にAゾーンのの順位を落としてBゾーンの途中に入れたりすることはできない。 |
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● 愛知県公立高等学校の評定と学力テスト得点の比率を発表(愛知県)…2003.06.27(火) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成16年度愛知県公立高等学校(全日制)一般入試での調査書の評定(原則的に5段階×9教科=45点満点)と学力検査得点(いわゆる入試当日の得点)の配分の比率が本日発表される。これはいわゆるBゾーンの部分について,評定と学力検査の比率を学校裁量で決めることができるという取り決めに基づき(2003.02.18参照),各校が実際にどういう比率にするのかを公表するものである。愛知県教育委員会高等学校教育課ホームページにも本日昼ごろ掲載されるとのこと。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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● 私立高校の推薦基準設定の実際が徐々に判明(愛知県)…2003.06.18(水) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
愛知県では,私立高校の入学者選抜において,調査書には2学期末の評定を記入することになっており,15年度入学者は従来の相対評価による評定が記入された。そして,合格し,入学が決定した生徒については中学校の指導要録の写しが各高等学校に送付される。従って,15年度のみ個々の生徒の相対評価と絶対評価の比較が可能である。(学年末と2学期の評定の差異は通常ほとんどない) ある私立高校(A高校とする)では,x軸に相対評価,y軸に絶対評価をとってその相関を一覧にした。その結果は驚くべきものであった。全体に相対評価の方が絶対評価を上回っている。(評定合計は5×9=45点満点になる)名古屋市内の公立中学校出身生徒の場合その差は0〜+2の範囲であり,比較的類似していた。しかし名古屋市以外の地区では,ほとんど+3〜+6の差があった。+6というと,相対評価ではオール2に近い生徒が絶対評価ではオール3になってしまう。そこでA高校では,16年度入学者に対しては,地区別に異なった推薦基準を示す予定である。実際には,これまでの「基準は評定合計○○である。但し,人物がよければ(といっても生活態度のひどい乱れがないといった程度でよい)相談によりマイナス2まで受け入れる」のような表現のうち,但し書きの部分を名古屋市内公立中出身者に限定して適用する形にするとのことである。 16年度入学者以後は,調査書・指導要録とも絶対評価に一本化されるため今回のような直接的な比較は不可能になるはずであるが,前回述べた評定分布の一覧あるいは,高校の入試や入学後の実力テストの得点を参考にしていくのであろう。考えてみれば,地区ごとの評定と実力との比較はこれまでも行なってきたはずなので,今後もそれを継続するが,あまり差が極端な場合は実際に違う基準を適用していくということであろう。 それにしても絶対評価は建前上は全国一律の到達度基準によって客観的に行なわれていることになっているが,現実にはここまで差異がある。評定の方法及び入学者選抜でのその取り扱いについて,今後も試行錯誤が続くことであろう。 |
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● 私学協会が小中学校校長会に5段階評定分布表の提出を依頼(愛知県)…2003.04.08(火) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
東京都では私立高校が,16年度以後入学の学年を対象に中3の秋に統一テストを実施することを決めている。(Mainichi INTERACTIVE 新 教育の森など参照)相対評価の時代は,中学校の評定の数字によって推薦合格を決めていた。しかし,絶対評価では学校ごとにどういう割合になっているか分からないので同じ方法は使えないから,代わりに独自のテストを実施し,その結果を使おうとしている訳だ。 ≪愛知県の私立高校の対応≫ これを受けて,各県で絶対評価にどう対応するかが注目されていたが,愛知県では3月に私学側の対応が決まり,見出しの申し入れが行われた。その骨子は,@私立高校受験者の調査書には,推薦・一般とも2学期の絶対評価を記載する。A中学校は,全教科の5段階評定分布表を受験生のいる高校に提出する,の2点である。一覧表は,従来公立高校受検の際提出されてきたような,全員(その高校の受検者以外は名前は伏せる)の評定の一覧表か,もっと簡略化されたものなのかは,現時点では不明である。 ≪実際の動きは?≫ 予想しにくいが,あえて想像してみよう。 @ A中学校では相対評価の時代の合格基準に達したと考えられる評定を持つ生徒を受験させた。ただし,A中学校は各教科平均して5と4が40%,2と1が20%という偏りがあった。結果的に,高校の判断で不合格とされた。……しかし,これでは急遽一般受検させる対応が必要になるなど現場が大混乱するので,これはないだろう。 A 中学校から評定分布表が提出された時点で,高校側で検討し,「合格にはこの程度の評定が必要になる」ことを中学校に伝える。……この場合は,2学期末〜3学期初めの期間,ただでさえ多忙な進路関係の作業及び指導が輪をかけて多忙になる。 B 事前に,「合格に必要な評定の目安を,評定分布のパターン別に,複数」伝えられる。……正確に伝達するのが困難なので,現実的ではないだろう。 C 中学校サイドで自主的に評価基準を調整し,結果的に相対評価に近い割合で評定が出るようにする。……やっぱり大勢はこうなっていくだろうと思うのは筆者だけだろうか? |
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● 引き続き学力検査と調査書の扱いについて…2003.02.18(火) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
やや詳しく述べる。 ≪選抜方法の基本≫ 愛知県では,公立高等学校入学者選抜実施要項で選抜方法の基本が定められている。大雑把に説明すると,まず,全員を学力検査の得点合計(15年度までは各教科10点満点×5=50点満点)だけで選抜したと仮定したときの最低ライン(得点順に並べ,定員に入る最低点,図のア)を調べる。次にその高校を第1希望とした志願者だけで受検したと仮定したとき合格ライン(図のイ)を調べる。第1希望による志願者だけで並べるから,当然イ<アとなる。さらに,評定合計(5×9=45点満点,傾斜配分する教科=音楽科の音楽等=は1.5倍するから5×8+(5×1.5)=47.5点満点)だけで,同様に全員の合格ライン(ウ),第1希望者だけの合格ライン(エ)を求める。受検者全員について図のエリアに分類し,合格順は必ずA→B→C→Dとする。(A,B,C,Dそれぞれのエリア内は基本的に評定・学力検査の合計の成績順)そうやって並べた順に上位から合格させていくことになる。 ≪16年度の選抜方法≫ Bエリアの受験者については,高校の独自判断で学力検査・評定の合計に傾斜をつけてもよい。(6:4とか,5.5:4.5とか重みをつけた上で合計すること)これによって高校ごとに学力検査または評定のどちらかを重視して選抜することが可能になる。 ≪最近指摘されている問題点≫ 絶対評価で5〜1の割合について,ある地区の2学期の調査結果では,平均で5→12%,4→20%,2→16%,1→10%ということであったから,そのまま調査書に記載されたとしても,全体としては15年度までと大差ないだろう。しかし,学校によって特定の教科が極端に偏った割合になっている例もある。そのような教科が2〜3重なった学校があれば,その学校から進学しようとする生徒に限って極端に有利または不利が生じることになる。 ≪どうするのか?≫ だから公平のためにどの学校でも5と1が10%,2と4が20%に近づける努力をする,という対処をしたとする。しかし,それではあれほど意義が強調された到達度評価の否定に陥る。また仮にある学校のある教科で5をとる生徒が30%あったとしても,適切な判定基準の下で,たまたま絶大な指導力のある教員が熱意ある生徒集団を指導し,本当に多くの生徒が判定基準をクリアしたかもしれないのである。但し,その実証は限りなく困難である。 |
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● 進学校では評定の比重は相当低下か?…2002.11.14(木) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前回の予想を裏切り,一部新聞報道によると,当日の学力検査/調査書記載の評定合計の比重は,原則1:1としながら,実質的には高等学校側で個別に判断する余地を残すものになるとのこと。これでは普通科で大学進学率が高い高等学校は,ほとんどが当日の学力検査の結果を優先した合否判定になるだろう。 もう一つ,推薦入学の判定はどうなるか?(現状は,明かに評定の数字が重要な判定基準の1つになっているので) |
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● 平成16年度入試は絶対評価をそのまま調査書に?…2002.11.01(金) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
愛知県平成15年度入学者選抜においては,絶対評価による評定とは別に,評定配分基準数による評定を出し,調査書に記載することを求めている。しかし平成16年度入学者については未だに未定である。そこで中学校校長会サイドでは,非公式にではあるが絶対評価による評定を調査書に記入し,なおかつ従来同様に学力検査とほぼ同等の比重で入学者選抜を行うことを求めている。しかし評定の割合は当然中学校によって異なるから,どうやって公正な判定をするのかという難問が生じる。 ところが,最近東京都の教育委員会の調査結果として,「到達度による観点別評価(いわゆるA,B,C)を積み重ねて5〜1の評定を決める」という新しい方法によっても,結果的に従来の相対評価に近い分布になっていることが判明した。(教育新聞等によると,従来は5と1が10%,2と4が20%程度だったのが,新制度では1が約5%で以外,ほぼ従来どおり) ということは,愛知県でも同様の結果が出ていれば,新制度による評定をそのまま調査書に記載し,扱いは従来どおり当日の学力検査と同等という扱いになる可能性が強まったのではなかろうか。 |