評価評定〜達人を目指す 第3回 |
評価評定シリーズ第3回は『win杉』によるテストの観点別集計法です。=2004.06.11= |
《目次》 テスト結果を観点別に集計 サンプルを用いて処理方法を紹介 ご質問・参考意見等はこちらへ |
テスト結果を観点別に集計 |
(1) テストの小問を観点別に分類する
定期テストの得点は,合計点を単純に「知識・理解」の一部として扱う方法もあります。しかし,他の観点「思考・判断」とか「技能・表現」,さらに「関心・意欲・態度」に対しても,適切に定義し,問題を工夫すれば活用できるでしょう。むしろ,生徒にとって定期テストは集中して事前学習に取り組み,個人で全力を出し尽くす機会ですから,積極的に全観点を対象にした方がよいと思われます。(技能や関心をペーパーテストで把握する技法については他の回に触れたいと思います)
この立場で,定期テストの観点別出題方法について検討してみます。まず思いつくのが,観点を「1番は関心態度,2番は資料活用…」のように,大問ごとに割り振る方法です。採点の手間を考えれば現実的ですが,個々の設問に掘り下げて詳しく検討すると観点が不適切な場合もあります。また,1個の解答を複数の項目に所属させたり,重みをつけて集計することもできません。 そう考えると,やはり小問ごとに完全に記録するのがベストです。そうすれば小問単位で自由に観点を割り振って集計でき,さらに小問別正答率や,解答の関連性を調べて今後に生かすこともできます。しかし,難点は入力に時間がかかることです。そこで,『win杉』では入力時の煩雑さを最大限軽減することができるようにしました。以下,その紹介をします。 |
(2) 今回の解説に使用する表
『win杉』まだインストールされていない場合は,ホームページ内の体験版ダウンロードから「お試し版」を取得してください。インストールすると,『win杉』本体と同時に今回説明する表を含むサンプルデータも使用できるようになります。
またこの表には,基本的な操作練習を目的として,観点別集計のための数式の例まで組み込まれています。 |
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サンプルを用いて処理方法を紹介 |
(1) サンプルを見る
![]() ●1 「C:\Sugidのディスクは,次の領域に分割されています」…[見本データ集]を左クリックして選択します。 ●2 下の段の青紫色の部分の表示…[4 評価・評定]をクリックします。目的とする表はここに入っています。 ●3 下の段の青紫色の部分の表示…[1学期 理科 中間テスト結果]をクリック。この表が今回のサンプルです。 |
(2) 小問別入力の方法
![]() ●1 入力用画面に入る…1(1)で表を選択したときに表示される道具箱から[入力]を選びます。(左クリックします) ●2 すぐ入力できます…入力するセル(黒抜きに表示されている)の内容が○×入力ボックスの上部に表示されています。基本的には○または×を左クリックすれば○⇔×のように切り替わります。その後[決定]を左クリックすればそれがセルに書き込まれ,次のセルに移動します。 ※ 高速入力法…キーボード手前のmまたは,[コンマ]キーを押すと,それぞれ○と×が入力され,直ちに次の入力位置に移動します。 入力セルを移動したい場合は↑↓→←ボタンをクリックするか,入力したいセルを直接左クリックしてください。 セルのデータ入力が終わると自動的にセルが移動しますが,右に移動したいのに下にいってしまう場合などは,‖← →‖ボタンで調節してください。(それらのボタンを右クリックすれば,解説を見ることができます) ●3 入力を終わる…[終了]を左クリックしてください。入力した内容はこの時点で自動的にディスクに記録されます。 |
(3) 計算式によって○×を集計
![]() ●1 道具箱…[計算]を左クリックします。 ●2 再生…を右クリックします。ポップアップメニューが現れます。ここから「計算式再生」と「計算式編集画面」が選択できます。 ●3 計算式編集画面…をクリックします。ここでこの表に設定されている項目間の一連の計算式セットが表示されます。 ※ この画面内に,項目名や計算の種類を左ボタンでドラッグしてくると計算式を作ることができます。計算式の作成自体については,ここでは解説を省きますが,画面内のいろいろな位置で右ボタンで表示される[解説]を参照することができます。 ●4 定数…ボタンを,式の設定値を修正したい位置までドラッグします(定数ボタン上で左ボタンを押さえ,そのまま指を離さずにマウスを移動させ,目的の位置で指を離す操作)。 【※ ここでは 1学期中間.関心=合計(<2>.1234567890(________11),<3>.1234567890(111_______),…) の式の修正したい位置までです】 この式中の(________11)は,大問<2>のはじめの8個は無視し,最後の2個についてそれぞれ正解の場合は得点1点を加算することを意味します。「関心」の対象とする問題を変更する場合,ここに入力しなおします。 ●5 入力ボックス…が開くので,修正後の値,例えば000002010(意味は,「7番目の小問が正解ならば2点を加算し,9番目が正解なら1点を加算」)をキーボードから入れ[Enter]ボタンを押します。これで計算式が修正されました。 ●6 終了ボタン…をクリックして,計算式編集画面を閉じます。次に計算式を実行します。そのためには再生ボタンを左クリックします。次に表示される確認ボックスで順に[全自動][実行]をクリックすると一連の計算式を最初から全部実行します。その結果は1学期中間.関心の列の値を見ると確認することができます。計算式を一部だけ選んで実行させることもできますが,ここでは説明を省きます。 |
(4) ○×入力用の項目の作り方
![]() ●1 道具箱…[編集]を左クリックします。これで編集画面になります。 ●2 項目設定…を左クリックします。項目の属性(使用目的に合わせて項目の特徴を選ぶ)を決めて新しい項目(表の列)を作成することができます。 ●3 挿入・右側に追加…新しい列を作る位置です。「挿入」は現在の選択位置に挿入し,右側に追加は文字通りです。 ●4 #…が,○×入力用項目を選択するボタンです。その他にさまざまな目的に応じた項目を作ることができるので,またの機会にでも試してみてください。 ●5 入力ボックス…ここで入力するのは桁数(この項目に入れる小問数)です。数字を書き込み,[Enter]を押してください。 ●6 1234567890など…(自動的に付けられた項目名)をクリックすると,項目名を修正することができます。入力BOX内の文字を修正したら[決定]をクリックするか,[Enter]キーを押してください。 このようにして作成した項目を計算式に組み込む場合は,(3)の計算式編集画面で行います。列の上で左ボタンを押さえ,そのままドラッグして計算式の必要な位置までマウスを動かし,左ボタンを離します。 以上がテスト結果を小問単位ですべて記録する作業に関係する操作の概略です。観点別得点として集計した値を学期や学年の評価に引用する方法は,回を改めて説明します。 |
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